湘南・鎌倉エリアのフリーペーパー
地元・おでかけ情報を発信する生活情報紙

成人の5人に4人が歯周病といわれる時代 歯の“延命”に重要なスペシャリストとの出会い

歯周病専門医に聞く
「これからの歯周病治療と予防について」インタビュー後編

「歯周病治療は“歯を残すためのもの”ですが、歯の温存が口全体の健康にとってプラスになるか、この判断は非常に難しい。

だからこそ、歯周病専門医の診断が必要なんです」と語るのは、藤沢歯科の雨宮院長。「半面、他の医院で抜歯を勧められたけれど、何とか歯を残したいという患者さんの来院も多い」と続けます。今や、成人の5人に4人が歯周病と言われる時代。

今求められている歯周病治療と予防について、2月号に引き続き、日本歯周病学会歯周病専門医の資格を持つ雨宮先生に話を聞きました。

歯科医が6人、歯科衛生士が8人、管理栄養士および栄養士が4人在籍する同院。

一人の患者さんを専属の歯科衛生士が担当する「担当制」を導入。症状の変化や状況を理解しやすい、一人ひとりに合わせたセルフケアの提案ができるというメリットも

自然治癒しない歯周病
しみる、血が出る…そんなサインを見逃ないで

歯ぐきがしみる、歯ブラシを当てた時の痛みや違和感、出血することがある……。そんな症状は歯周病のサインかもしれません。

歯を失う大きな原因の一つ歯周病(歯槽膿漏)は、成人の5人に4人が罹患(りかん)、あるいはその予備軍だといわれています。歯周病の初期は自覚症状がないため、ひどくなるまで気づかない人も多く、また自然治癒することがありません。

歯周病は、口の中で常に炎症が続いているということで、進行すると血液を介して各臓器に歯周病菌が運ばれ、全身疾患の発生リスクが高まることがわかってきました。

例えば、歯周病と糖尿病がお互いを悪化させること、動脈硬化を誘発し心臓疾患や脳梗塞の発生リスクが高まることなどです。そのため、糖尿病などの全身疾患も含めた生活習慣病を改善するために来院される患者さんが増えています。

しかし、歯を残すことがその人にとって本当に最適な治療なのかは、初期、中等度、重度など歯周病の進行具合によって違ってきます。歯を温存することにリスクがある場合は、中長期的な将来予測をお伝えした上で、最適な治療方法を提案します。

記事画像
藤沢歯科 院長・雨宮啓 先生
東京歯科大学歯学部卒業、同大学大学院(歯科麻酔学)修了。
日本歯周病学会歯周病専門医、日本歯科麻酔学会認定医。2021年幻冬舎から発売された「進化する歯科のチカラ~歯科医療最前線で闘う12人のプロフェッショナル」でも紹介されています
記事画像
「藤沢歯科」は、歯周病治療とインプラント治療、静脈内鎮静法下での歯科治療を3本柱に歯科診療(自由診療)を行っています。
スタッフ全員がグローバルな視点で歯科医療の知識や技術を学び、連携して包括的な歯科医療を提供しています。写真は、スタッフ主導で行われる「症例検討」の様子

適切な歯周病治療に不可欠な
検査と包括的チーム医療

その診断に、重要なのが『初期歯周病予防プログラム』です。歯周病の状態はその日の体調の良し悪しによっても変わります。

ですから、1カ月に渡って専門医や歯科衛生士が、お口の状態を観察することが適切な治療につながわるわけです。このプロブラムを実施したことで「歯を抜かずに済んだ」という人もいます。

当院では、月1回全員で症例検討(勉強会)を実施。スタッフそれぞれの職域の中で、患者さんに何ができるかを考えます。

一つの症例についてスタッフ全員で30分以上ディスカッションすることも。診断と将来予測をするのが歯科医師、歯科衛生士は歯周病の予防プログラムを実施し、栄養士が生活習慣のアドバイスをする…。私は、高度な知識と技術を持つスペシャリストによるチーム医療が、歯の〝延命〟につながると考えています。

問い合わせ先Contact

0466-26-8541

https://www.fdic.jp/

「歯科医院におけるチーム医療とは?」
藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターが配信する動画はココから! https://www.youtube.com/watch?v=6Aq6OPyRBMM

公開日2023/02/24

関連記事