シリーズ〈神奈川の名医〉関内医院/村山剛也院長
慶應義塾大学医学部卒業、2006年医学博士号(外科学)取得、2007年ハーバード大学医学部研究員に。東京都共済会中央病院外科などを経て、2008年から現職。2018年アメリカ静脈学会(The American College of Phlebology)特別賞(Abstract Grant Winner)受賞。日本外科学会認定外科専門医
中区にある「関内医院」は、複数の診療科目でそれぞれ専門分野の医師が担当し、連携しながら総合的な治療を進めています。今回は、下肢静脈瘤の治療において9,309例(1万2612肢)※の実績を持つ医療法人社団「慶博会」理事長兼関内医院の院長・村山剛也先生に症状と治療法について聞きました。
(※医療法人社団慶博会には関内医院・つなしま医院・村山クリニックの3院があり治療実績数は2023年7月末日現在の3院合計の実績数です)
足の違和感を感じたら早めに専門医に相談を
「下肢静脈瘤」専門医が語る、症状と有効な治療法
「足が重い、つる、むくむ、かゆい、血管がこぶのように膨らんでいる、皮膚が変色しているといった足のトラブルはありませんか。それは下肢静脈瘤の症状かもしれません」と語るのは、関内医院の村山院長。
「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」とは静脈の弁が何らかの原因で壊れて血液が逆流し、足の下の静脈に瘤(こぶ)ができる病気。加齢とともに増加傾向にあり「脂肪の多い人や女性に多く、特に妊娠を機に発症しやすく、長時間の立ち仕事、重い荷物を扱う職業の人、スポーツマンにも多く見られる」そう。遺伝にも関係する疾病とも。
「良性疾患ですが、自然に治ることはなく、悪化すると皮膚の色素沈着、潰瘍、血栓性の炎症が起こることもあります︒弾圧ストッキングを履くという対処法もありますが、根本的な治療法ではありません。
根本的な治療としては、従来の手術と比べて傷が小さく痛みも少ない『血管内焼灼術』、『レーザー治療』、大腿部やふくらはぎの伏在静脈を抜去する『静脈抜去術』などがあります」と村山院長。
同院では「グルー治療」と呼ばれる新しい治療法が2019年から保険適用されています。グルー治療は、瞬間接着剤を静脈に注入することにより、血液の逆流を防ぐ治療法。合併症のリスクが抑えられ、静脈を焼かず、局部麻酔が可能に。
「下肢静脈瘤の治療はどれも危険のない手術ですが、ごくまれに出血や血腫、水泡、再発、感染、深部静脈血栓症、肺梗塞、手術の際の麻酔による合併症の可能性があります」。
合併症のリスクはあるものの、症状や体調に応じ、適切な治療法を実施してきた結果、合併症率は0・1%以下という関内医院。「これまでに重篤な合併症をおこした患者さんはいませんが、万が一の事態に備えて迅速に対処できる体制も整っています」。
下肢静脈瘤は、脚の症状以外にさまざまな悩みを抱えていることも少なくないそう。内科、消化器内科、外科、肛門外科、皮膚科、形成外科まで各専門分野の医師が在籍する関内医院。個人の背景を考慮し、全身状態もあわせて総合的に診察してくれるので、脚の症状で困っている人は来院してみては。
チェックリスト 下肢静脈瘤でよくある症状
□ 足首やふくらはぎ、太ももの内側に
血管が浮き出てボコボコしている
□ 足が重い、だるいと感じることが多い
□ 足のかゆみや湿疹が気になる
□ 夜中や明け方に足がよくつる
□ 足首の皮膚が黒っぽく変色している
□ 親族に下肢静脈瘤の人がいる
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公開日2023/09/12