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【編集部日誌】12月2日鎌倉教場で流鏑馬神事が開催されました

2023年12月2日(土)、「大日本弓馬会(鎌倉市)」が、文化庁・日本芸術文化振興会による「令和5年度 日本博2.0事業」の委託を受けて今年最後となる「流鏑馬神事」を開催。招待を受けたLien編集部が取材に行ってきました。

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地元のみならず、海外からの観覧者も多数

冬晴れの中で開催された流鏑馬神事には、地元のみならず、諸外国からの観覧者が多数参列。国際色豊かな雰囲気の中で神事は厳かに行われました。
流鏑馬は単に武技を競うのではなく、祈りを込めて行う神事。騎射に先立って、馬上からの天下泰平・五穀豊穣・万民息災を祈念する「天長地久の式」の美しい所作には、観覧者も息をのんでいました。

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天長地久の式
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神事の様子

流鏑馬とは?

武者姿の射手が、疾走する馬上から三つの的を射抜く「流鏑馬」。鎌倉時代から続く伝統武芸は間近で見るほど圧巻です。流鏑馬の語源は、「矢馳せ馬(やばせめ)」が転じたもの、その字句も「馬に乗って鏑矢を射流す」に由来するといわれています。この射術と馬術との結びつきは騎射と呼ばれ、最高の武芸とされていました。

【編集部日誌】12月2日鎌倉教場で流鏑馬神事が開催されました

大日本弓馬会が維持保存する武田流の流鏑馬の装束は、武官の装束が転じたものと考えられているそう。「鬼面綾檜笠(きめんあやひがさ)」を頭にかぶり、「直垂(ひたたれ)」を着て、左腕には家紋をあしらった「射篭手(いごて)」を身に付けます。腰には鹿の夏毛を用いた「行縢(むかばき)」をはき、「前差(鎧通し)」を差し、「太刀」を佩き、「弦巻」をつけます。履くのは「射沓(いぐつ)」で、腰には「神頭(じんとう)」と呼ばれる鏑矢を手挟みます。かなり重そうです。

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美しい装束が身近で見られるのも流鏑馬神事の醍醐味

<競射(きょうしゃ)>
奉射(ほうしゃ)の成績上位者が腕を競う「競射」では、的が小さな土器的に替わります。

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小さな土器の的。的中すると中から五色の紙が舞い散ります
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最多的中者、大日本弓馬会鎌倉教場長の瀬端さんが、土器的を的中させたときの画像
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大型モニターでリアルタイム配信
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諸外国から来場された観覧者の国旗が並ぶ
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今回も大盛況だった地元鎌倉開催

さまざまなデモンストレーションや来場者参加の展示ブースも

この日は、流鏑馬に加えて、笠懸(かさがけ)と呼ばれる、さまざまな場所に置かれた的を射るデモンストレーションと、大鎧を装着して騎射を行うデモンストレーションも行われました。笠懸は、流鏑馬に比べて難易度が高く、ほとんど行われておらず、弓を高く振り上げ、体をひねり、馬の首を超えて弓を構える「馬手筋違(めてすがい)」の射法などが披露されました。

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笠懸 「馬手筋違」の射法
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大鎧装束の射手

鎌倉伝統文化の展示ブースも

当日は流鏑馬神事のほか、流鏑馬の馬具弓具の展示や射手との交流会、馬とのふれあい体験に加えて、観世流能楽師の中森貫太氏による「能装束」など伝統芸能の展示もありました。

大日本弓馬会では、恒例行事、特別行事を行っています。
今後の予定など
詳しくは同会のホームページをご覧ください。

公開日2023/12/04

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