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Beautyコラム:第1回 シミ予防について

Beautyコラム:第1回 シミ予防について

野﨑ドクターのビューティーコラム 第1回 シミ予防について

「美」を愛する皮膚科専門医、野﨑Dr.によるビューティーコラム。初回は、これからの季節に気になる「シミ対策」です。

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日本抗加齢医学会専門医でもある野﨑由生(のざき・ゆう)先生
Beautyコラム:第1回 シミ予防について

Q:紫外線の強い季節がやってきます。これからの季節のシミ予防について教えてください。

皮膚の老化の8割は、紫外線によるものと言われています。つまり紫外線対策は、シミやシワの予防はもちろんですが、肌の老化防止にもつながります。ですから、紫外線対策は「これからの時期だけ」ではなく、一年中、雨の日も雪の日も欠かすことなく行うことが「エイジングケア*」の第一歩です。

*年齢に応じたケア

Beautyコラム:第1回 シミ予防について

紫外線の有効な防ぎ方

紫外線の一番有効な防ぎ方として日本皮膚科学会でも提唱されているのが「物理的遮断」です。つまり、日傘、帽子、長袖、長ズボンなどにより、皮膚に到達する紫外線を、無理のない範囲で可能な限り減らすことがとても重要で最も効果的と言われています。ただ顔や手などは覆いようがなく、紫外線にさらされてしまうので、そこは日焼け止めをしっかりと塗ることで肌を紫外線から守ります。
最近では、“飲む日焼け止め(サプリメント)”が登場するなど、紫外線対策グッズも充実していますが、日焼け止めやサプリメントはあくまでも補助要員。まずは衣類でしっかりと肌を覆うことを心掛けましょう。

Beautyコラム:第1回 シミ予防について

日焼け止めの塗り方

日焼け止めの塗り方にもポイントがあります。顔に塗る場合の理想的な量は、クリームだと大玉真珠2つ分、ローションなら1円玉2枚分ぐらい。塗った瞬間は白っぽくなって「塗りすぎかな」と思うぐらい塗らないと、効果が半分以下になってしまいます。塗りたては浮いているように感じても、徐々に肌になじむのでご安心を。とにかく、思い切ってしっかりと塗ること心掛けましょう。
日焼け止めの代わりに、SPF値の高い化粧下地やファンデーションを塗っているから大丈夫。と思っている方、いらっしゃいませんか?
実は、厚塗りできないものでは、しっかりと紫外線を防ぐことができません。なので、私は化粧下地の下に日焼け止めを塗ることをおすすめしています。ファンデーションを塗らない人でも日焼け止めはしっかりと、コテコテに(笑)塗ってください。これは女性のみならず男性も、です。
“(日焼け止めを塗りすぎると)白っぽくなる”からと薄く塗っているのでは全然意味がないのです。決して高価なものでなくても構わないので、白くならない肌なじみのよい日焼け止めを“たっぷり”塗ったほうがいいですね。腕や手などベタベタしたくない箇所はスプレー式の日焼け止めもいいかもしれません。スプレー式は塗り直し用にも適しています。

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紫外線を浴びる屋外にいるときは、塗りなおしは非常に大事です。汗をかく時期には、3~4時間に1回くらいの頻度で塗り直しをすることをおすすめしています。

紫外線予防が美容治療の効果を上げる

紫外線予防というのは、美容治療の効果にも影響します。レーザー照射した際、十分な紫外線対策ができておらず、長年日焼けをし続けてきた肌など、紫外線ダメージが蓄積されているとうまく治療の効果が出ないこともあります。逆に、紫外線ダメージが少なく、健やかな土台を持つ肌だと「レーザー治療の反応」が良く、効果が得やすい。紫外線対策は未来の肌も健やかな状態であるためには欠かせないのです。

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すでに日焼けを繰り返し、肌に紫外線ダメージが蓄積されていても、「フラクショナルレーザー※」という治療で肌の土台を健やかな状態に導くことができますので、シミ・シワでお悩みの方はまずは美容皮膚科にご相談ください。

※フラクショナルレーザー
レーザーで微細な点状の孔(あな)をあけ、新しい皮膚の再生を促し、シワやたるみ、ニキビ跡や毛穴の開きを改善する治療です。

Beautyコラム:第1回 シミ予防について

さまざまな種類があるシミ。二大巨頭は「老人性色素斑」と「肝斑」

成人後に出始めるシミは「老人性色素斑」と「肝斑」が二大巨頭と言われています。「老人性色素斑」は良性の皮膚腫瘍で、シミの色であるメラニン色素に反応するレーザーで、シミのもと(腫瘍細胞)を破壊する治療が有用です。「肝斑」は、さまざまな原因でメラニン色素を作り出すメラノサイトの活動性が高いためにできるシミです。両頬やあご、鼻の下にできる薄茶色の色素斑で、左右対称で現れるのが特徴です。一般的な老人性色素斑の場合、輪郭がくっきりしているのに対し、肝斑は全体的に境界がはっきりしないぼやけた形で見えます。肝斑治療に有効なのが飲み薬です。トラネキサム酸の内服薬は、炎症を抑える働きによりメラノサイトの活動を抑制します。
このほか、シミの種類にはADM(後天性真皮メラノサイトーシス)という、頬を中心として小さな斑点のような状態の薄い青っぽい色をしたシミや雀卵斑(じゃくらんはん/そばかすのこと)と呼ばれるものなどがあります。シミにも種類があり、その種類によって治療法も変わってきます。どういう種類のシミなのかは、皮膚科医でなければわかりませんが、併発している人も多いですね。それから、怖いのは「皮膚がん」でしょうか。出始めのがんは、シミやホクロに見えることがあります。急に大きくなったいびつな“ホクロ”は皮膚科受診をおすすめします。

シミは放置せず皮膚科専門医がいるクリニックに来院を

気になるシミがあった場合、何科に行くべきかよく聞かれますが、(クリニックが)持っている機械や、どんな治療を提供しているかにもよります。皮膚科でもレーザー治療を行うクリニックが増えてきています。ただ美容治療に慣れているかと言えばそうとも言えないので、私は、気になるシミがあれば、皮膚科専門医がいる美容クリニックで検査することをおすすめしています。中でも「ダーマスコピー検査」は、ダーモスコープと呼ばれる特殊な拡大鏡で観察するもので、良悪性を判断する一助になります。
美容クリニックのシミ治療で一番大切なのは、治療前に“そのシミ”が良性か悪性かを判断することだと考えています。それは皮膚の基礎を熟知した皮膚科医だからこそできることではないでしょうか。

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〈教えてくれたのは〉
CZEN CLINIC(シゼン クリニック)
鎌倉院
院長 野﨑 由生(のざき・ゆう)先生
川崎市生まれ。公立福島県立医科大学を卒業後、大学病院やがんセンターなどで皮膚科専門医として経験を積み、抗加齢医学会専門医としての知識を活かし2023年CZEN CLINIC鎌倉院院長に就任

続けて読みたい人は>>>Beautyコラム:第2回 シミの治療法について

野崎由生先生が院長を務める CZEN CLINIC鎌倉院の記事はこちら
>>>>地域密着の美容医療クリニック。4月鎌倉駅西口にオープン

公開日2023/06/27

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