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Beautyコラム:第2回 シミの治療法について

Beautyコラム:第2回 シミの治療法について

野﨑ドクターのビューティーコラム 第2回できてしまったシミの治療法

「美」を愛する皮膚科専門医、野﨑先生によるビューティーコラム。第2回は気になるシミの治療法です。

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日本抗加齢医学会専門医でもある野﨑由生(のざき・ゆう)先生

Q:老けて見える顔の“シミ”。なんとかして消す方法はありませんか。

Beautyコラム:第2回 シミの治療法について

シミは種類によって治療方法が違います。

一度できてしまったシミは、自力で完全に消すことはできません。
20歳過ぎてから出始めるシミの二大巨頭が「老人性色素斑」と「肝斑」です。「老人性色素斑」は比較的くっきりとした茶色いシミで、その本態は良性の皮膚腫瘍です。レーザーで、シミのもと(腫瘍細胞)を破壊する治療が有効です。
「肝斑」は両頬やあご、鼻の下にできる薄茶色の色素斑です。左右対称に現れるのが特徴です。紫外線やホルモンバランス、摩擦などさまざまな原因により、メラニン色素を作り出す細胞メラノサイトの活動性が高まることでできるシミです。肝斑に有効なのが飲み薬と外用剤です。中でもトラネキサム酸の内服は、メラノサイトに信号を送る「炎症性サイトカイン」のはたらきを抑え、メラニンの生成を抑制します。
このほか、シミの種類にはADM(後天性真皮メラノサイトーシス)という、頬を中心とした薄い青っぽい色をしたシミやそばかす(雀卵斑)などもあります。シミにも種類があり、その種類によって治療法も変わってきます。どういう種類のシミなのかは、皮膚科医でなければわかりませんが、合併している人も多いです。
怖いのは「皮膚がん」でしょうか。出始めのがんは、シミやホクロに見えることがあります。急に大きくなったり、いびつな形をしている場合は要注意。病院を受診することをおすすめします。

Q:シミ取り治療にはどれぐらい通院すればいいのでしょう?

Beautyコラム:第2回 シミの治療法について

希望される治療結果を出すには、シミの種類、濃さ、大きさ、数、部位などによって大きく変わってきます。CZEN CLINICではカウンセリングの際、必ず治療の目的や今後の大事なイベントの有無などもお伺いしています。例えば「結婚式などの大切な予定がある」という場合、シミ取り後に赤みが出たり、色素沈着などが出る可能性がゼロではないので治療をおすすめしない場合もあります。半年後に結婚式を控えている方などは、今が治療をスタートするのにちょうどいいタイミングかも知れませんね。
シミ取り治療は、1回で大きな効果を得られる場合もありますが、シミの種類や状況によっては効果を実感していただくには、月1回、半年ぐらいかけて、複数回の施術が必要になることが多いです。肌は日々老化していきますから、肌のコンディションを下げないようにするためのメンテナンスも必要になります。治療の間も紫外線予防は不可欠。CZEN CLINICでは、有効な紫外線対策についてもアドバイスさせていただいています。私自身も医学生時代の講義で「皮膚の老化の8割は紫外線が原因」と聞いてからずっと紫外線対策をしているので的確なアドバイスができると思います(笑)。
治療のスケジュールとしては、初回の施術から1カ月ほど空けて、次の施術をするケースが多いです。1回でシミを取ろうとすると強いレーザーを照射することになるので、赤みなどの色素沈着といったトラブルも起こりやすくなります。ダウンタイムが短くてすむように、適度な強さの治療を複数回行っていくことをおすすめします。そのほかレーザーに比べると効果が出るまでスピードが遅くなりますが、ハイドロキノンやビタミンCなどシミを薄くする塗り薬もあります。

Q:シミ取りに有効な「レーザー治療」とは?

Beautyコラム:第2回 シミの治療法について

シミ取り治療の主流はレーザー治療です。専用のレーザーを用いて、シミにレーザーを照射することで、メラニン色素や色素を持つ細胞を破壊し自然な肌の色味に改善する治療です。
スポット照射は1回直径3mmぐらいのエリアにワンショット照射する方法で、シミの大きさによって何回か繰り返すこともあります。またトーニングと呼ばれる、レーザーを微弱なパワーで照射し、シミやくすみの原因である「メラニン」を徐々に減少させ、顔全体のトーンアップができる治療方法もあります。シミの症状によって最適なレーザーや治療法でアプローチすれば、シミが再発しにくい肌へと改善する効果が期待できます。

Q:今注目されている男性のシミ治療のメリットは?

今や「シミ」問題は、女性だけのものではありません。男性は女性のように化粧をしないので、紫外線をより多く浴びているケースが多く、女性より肌の老化が早いのです。趣味がアウトドアの人も多いですよね。車を運転する人は顔の「右側」にシミが集中することも。実際シミがあると、実年齢よりも老けた印象を与えてしまいます。若々しい肌の男性は清潔感がアップするので、相手に好印象を与えられるなどビジネス上のメリットもあります。きれいな肌を目指す男性には、紫外線予防への意識を高めていただく必要があります。
年齢性別に限らず、シミが少ないことにより見た目の印象が若々しくなり多くの利点があります。性別によってシミ取り治療の内容が変わるわけでありません。レーザー治療後に日焼け止めを塗るのを怠ると、シミが濃くなってしまうこともあります。男性のシミ対策として、まずは日焼け止めを塗ることから始めてみてはいかがでしょうか。

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〈教えてくれたのは〉
CZEN CLINIC(シゼン クリニック)
鎌倉院
院長 野﨑 由生(のざき・ゆう)先生
川崎市生まれ。公立福島県立医科大学を卒業後、大学病院やがんセンターなどで皮膚科専門医として経験を積み、抗加齢医学会専門医としての知識を活かし2023年CZEN CLINIC鎌倉院院長に就任

前回のコラム>>>Beautyコラム:第1回 シミ予防について はこちら

野崎由生先生が院長を務める CZEN CLINIC鎌倉院の記事はこちら
>>>>地域密着の美容医療クリニック。4月鎌倉駅西口にオープン

公開日2023/07/24

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