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Beautyコラム:第3回 シワの治療法について

Beautyコラム:第3回 シワの治療法について

野﨑ドクターのビューティーコラム 第3回 気になる顔のシワの治療法は

皮膚科専門医、野﨑Dr.によるビューティーコラム。第3回は、加齢によって出現する「シワ」についてです。

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日本抗加齢医学会専門医でもある野﨑由生(のざき・ゆう)先生

Q:加齢とともに気になる顔のシワ。メカニズムと治療法について教えてください。

Beautyコラム:第3回 シワの治療法について

シワのメカニズムを知りましょう

加齢によって増えるシワ。みなさんが気になるのは、ほうれい線や眉間などの「顔のシワ」でしょうか。シワにはいくつかの種類がありできるメカニズムが違います。今回はほうれい線と呼ばれる「たるみジワ」を中心に、表情筋を動かすことで眉間、おでこなどにできる「表情ジワ」についても解説します。
顔はなぜたるむのでしょう? 人間の体は骨の上に筋肉、そして皮下脂肪、その上に皮膚という構造になっていますが、「顔のたるみ」は土台である「骨」に原因があることが多いです。

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肌の断面イメージ図

骨も加齢とともに痩せていきます。たとえば、目の周りの骨のくぼみ(眼窩/がんか)は年齢とともに広がっていきます。また頬骨も細くなります。あごの骨も細くなり痩せていきます。特に女性は閉経すると女性ホルモンの影響で骨量が減り一気に骨が痩せていきます(骨粗しょう症といいます)。「土台」が痩せれば、上に乗っている筋肉、皮下脂肪、皮膚は下に落ちますよね。それが「たるみ」につながるわけです。そこで「骨粗しょう症」対策が大切になるわけですが、怠っていると顔の骨はどんどん痩せていきます。足腰の骨同様、顔の「骨対策」もシワ予防には不可欠ということです。カルシウムやビタミンDを積極的に摂取したり、運動習慣を作ったりすることが大切です。
骨と皮膚をつなぐ「靭帯(じんたい)(リガメント)」へのアプローチも大切です。靭帯というと足のアキレス腱をイメージするかもしれませんが、顔にも靭帯があり、骨と皮膚をつないでいます。それが年齢とともにゆるんでくると皮膚が支えられなくなるので、「たるみジワ」の原因となります。

Q:気になる治療法とスケジュールは?

Beautyコラム:第3回 シワの治療法について

靭帯対策も含めた「たるみジワ」の治療には、ヒアルロン酸の有用性が高いと思います。注入することにより、痩せてしまった骨を補い、ゆるんでしまった靭帯の機能をカバーします。
ヒアルロン酸はシワの部分に注入するのではなく、老化のメカニズムに合わせて注入していくほうが全体として若々しくきれいな印象になります。ヒアルロン酸の注入箇所はまず頬骨から。加齢でこけていく人も多いので、頬にヒアルロン酸を入れて頬の位置をアップさせると、ふっくらした若々しいイメージが取り戻せますし、ほうれい線が薄くなります。
超音波による熱で皮膚の内側から肌を引き締める「HIFU(ハイフ)」という治療もあります。顔の外側を中心に当てて、筋膜、じん帯、皮下脂肪、真皮それぞれの層を引き締めて、肌のたるみを根本的に改善する治療法です。美容医療の中では、比較的ローリスクハイリターンな治療かもしれません。ヒアルロン酸が「引き上げる」なら、「ハイフ」は「引き締める」という感じです。「ハイフ」は二重あごのひきしめに適しているのも特徴ですね。
また、気になる箇所によっても治療法が変わってきます。口まわりのたるみが気になる人には「ショッピングリフト」という美容治療もあります。ショートスレッドとは、髪の毛よりも細い糸が装着された針を皮下に挿入し、針を抜いたときに糸だけを皮下に残す施術です。針穴の修復時や糸が吸収されるときにコラーゲンなどの線維がつくられて皮膚がひきしまります。

Beautyコラム:第3回 シワの治療法について

患者さんの顔立ちによってもシワ治療は変わってきます。痩せている人だと、ヒアルロン酸を注入してひきあげる方法を、ふっくらした印象の人だとひきしめる方法をお勧めしています。
気になる治療のスケジュールと費用ですが、ヒアルロン酸注入は、1本ごとの価格設定になっています。予算にもよりますが、きれいに仕上げるには年代×本数、たとえば40代なら4本、50代なら5本必要と言われています。ほうれい線の治療では最低2本は必要です。注入したヒアルロン酸は一般的に1~2年持続するので、年単位で再注入する人も少なくありません。また、50代だから一気に5本注入するのではなく、数本ずつ予算に合わせて注入することも多いです。もちろん、気になる箇所だけ注入することも可能です。自由診療なので、施術するクリニックによって費用が異なるのでホームページなどで確認するか、直接
お問い合わせください。
ちなみに、ヒアルロン酸注入では内出血や腫れなどのダウンタイムが出ることがありますがメイクで隠せるレベルであることが多いです。また「HIFU(ハイフ)」は注入ではなく超音波を照射するので、いきなりヒアルロン酸を注入するのは怖いという人には向いています。照射のスケジュールとしては、3~4か月ごとが望ましいです。
額、眉間や目じりなどの表情筋の伸縮による「表情ジワ」の場合は、ボトックスビスタ®(ボツリヌス)注射で治療します。注入により表情筋に力が入らなくなる→シワが寄らなくなるというメカニズムです。効果は個人差がありますが3~4か月持続します。
注射の痛みはそこまで強いものではありませんが痛みに弱い人には皮膚の表面に麻酔を塗ることも可能です。「たるみジワ」「表情ジワ」でお悩みの方はぜひお気軽に相談ください。

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CZEN CLINIC(シゼン クリニック)
鎌倉院
院長 野﨑 由生(のざき・ゆう)先生
川崎市生まれ。公立福島県立医科大学を卒業後、大学病院やがんセンターなどで皮膚科専門医として経験を積み、抗加齢医学会専門医としての知識を活かし2023年CZEN CLINIC鎌倉院院長に就任

前回のコラム読みたい人は>>>Beautyコラム:第2回 シミの治療法について

野崎由生先生が院長を務める CZEN CLINIC鎌倉院の記事はこちら
>>>>地域密着の美容医療クリニック。4月鎌倉駅西口にオープン

公開日2023/08/22

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